まち興しにトライを続ける鉄人

国内無敵を誇った北の鉄人、新日鐵釜石で大型LOとして活躍し、記念すべき第1回目のワールドカップに出場した経験を持つ桜庭吉彦GM。ラグビーを通じて釜石を活性化させるべく、様々な取り組みを行っています。

桜庭GMがラグビーと出会ったのは、高校2年生の時でした。それまでは野球をしていた桜庭GMでしたが、ラグビー部の顧問の先生に声を掛けられたことをきっかけに、ラグビーを始めました。ラグビーの名門校である秋田県立秋田工業高校を卒業後、新日鐵釜石ラグビー部へ入部をし、1987年・1995年・1999年のラグビーワールドカップで3大会出場を果たします。その後新日鐵釜石は「釜石シーウェイブス」と名前を変え、桜庭GMは2002年に釜石シーウェイブスヘッドコーチに就任しました。

桜庭GMは、釜石シーウェイブスの運営を担当しています。具体的には、チームスタッフの編成、活動資金の獲得、選手たちのフォローにも尽力しています。「最初は志を高く持ってチームに入って来てくれたものの、生活や仕事などが思うようにいかず、志半ばで挫けてしまう選手もいます。そのような選手たちに初心に返ってもらえるようなフォローに今後とも力を入れていきたいです。」と桜庭GMは話しました。  その他、地域との連携として小学校に出向いてラグビークリニックを開催したり地域行事にも積極的に参加したりしています。さらに、鵜住居復興スタジアムの今後の利用方法を考える仕事なども行っています。  また、ラグビーワールドカップ2019大会アンバサダーの活動として、釜石を中心にラグビーワールドカップを知ってもらうための講演に出向いたり、節目のイベントにも参加したりしています。ワールドカップに興味を持つ人を増やすため、釜石のみならず、日本へ、そして世界へ向けて桜庭GMは活動しています。

「今はワールドカップのお蔭で日常の中にラグビーの話題が出てきますが、ワールドカップが終わっても日常でラグビーの話題が出て、そして鵜住居スタジアムに地元のラグビーファンが集まることで、地域の人たちがラグビーを通して繋がれるようにしたいです。そのために、シーウェイブスを強くて愛されるチームにしたいです。」と桜庭GMは語りました。  釜石市内にはラグビーに関心を寄せる人は多いのですが、実際に試合に足を運ぶとなると、その数は減ってしまうため、桜庭GMは試行錯誤を重ねています。さらに「ラグビーのイベントを通じて、釜石以外の場所からも人を呼べるようにしたいと考えているため、ラグビーだけではなく、観光など他の要素も取り入れた複合的なスタジアムの利用方法を色々な人たちと考え、スタジアムの魅力を発信して行きたいです。そうすることで地域への貢献にもなるし、地方創生にもつなげられると思っています。」と桜庭GMは話します。

「強くてかっこいい地元に愛されるチーム」を理想とする釜石シーウェイブス。理想のチームになるために、桜庭GMは「まず、『強くて』という点では、チームに若い選手を迎え入れ、育成しチームを強化したいと考えています。現在、岩手県では中学校には常設のラグビー部が少なく、ラグビーをやめてしまう人が増えています。しかし、岩手県の特徴として中学3年生の特定期間に『特設ラグビー部』が開設されることがあります。このような活動に出向いて指導することで、地元出身の選手として活躍する人材の育成にもつながると思います。次に『かっこいい』という点では、お年寄りの健康づくりにも協力するなどの地域の課題解決にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。最後に『愛される』という点では、子どもたちや若い世代向けにラグビー教室を行うなど、より釜石シーウェイブスが地元のみなさんに認知されるようにしたいと考えています。」と理想のチームになるための努力を明かしました。

釜石シーウェイブスのGMとして、そしてワールドカップ2019大会アンバサダーとして、ラグビーを盛り上げるべく奮闘する桜庭GM。そんな桜庭GMの情熱を支えるのは、「ラグビーが好き、釜石が好き」という想いでした。「ラグビーに関わっている間は、時間を忘れて色々なことが出来ます。そして釜石のラグビーを盛り上げる活動に携わることで、自分を育ててくれた釜石に恩返しがしたいです。」と桜庭GMは熱く語ります。  そんな桜庭GMが感じるラグビーの魅力は、「人とのつながりを実感できるところ」だと言います。「ラグビーには様々なポジションがあるので、チームの人を尊敬(リスペクト)しながらプレイすることで人としての成長にも、トライにも繋がります。また、ラグビーは何度転んでも起き上がってトライに向けて何度も挑めるところも魅力的です。」と話しました。

「観光や企業見学に加えて、鵜住居復興スタジアムで実際にラグビーの経験もできるようなプログラムを準備して、『ラグビーの街』という釜石の存在を感じてもらいたいです。」と話す桜庭GM。様々な人たちにラグビーを知ってもらい、興味を持ってもらうことで、ラグビーを通じて釜石の街をより活性化させられるように、桜庭GMと釜石シーウェイブスのトライはこれからも続きます。