釜石ジオ弁当

地産地消にこだわった、
美味しく食べて学べる「釜石ジオ弁当」

 
三陸ジオパーク」の一角を担う釜石市。そのジオパークのPRと、地産地消の促進を目的として「釜石ジオ弁当」は開発されました。修学旅行生や企業研修で来釜する方々をメインターゲットに据えた「美味しく食べて学べるお弁当」です。市内外の方からご好評をいただいているこの商品が、どのようにして実現まで漕ぎつけたのか、そしてなぜ今も進化を続けることができているのか。その開発に携わったお三方にお話を伺ってきました。

 

  • 河東 英宜

    株式会社かまいしDMC代表取締役。観光を通じて釜石の活性化を実現するため、観光地域づくり法人(DMO)を設立・運営。サステナブル・ツーリズムを実践する過程で、地域の食材にこだわった「釜石ジオ弁当」を企画提案。

  • 大窪 諒

    地域活性化起業人として、江崎グリコ株式会社から釜石市役所に、2021年末まで出向。「釜石ジオ弁当」の開発をはじめとして、釜石の企業と協働し、食料品を中心に数々の新商品開発に携わった。

  • 山口 俊貴

    maruwa mart 株式会社 事業統括リーダー。シェフズ弁当事業及び宅配弁当事業の責任者として製造から販売、マーケティングまで一貫してマネジメントしつつ、「釜石ジオ弁当」をはじめ、新規事業の開発にも精力的に取り組んでいる。

本日はお時間をいただきまして、ありがとうございます。まずは、会社の事業内容とご自身のお仕事について教えてください。

山口さん(マルワマート(株))私は、弊社シェフズ弁当事業の事業統括が役割で、釜石の宅配事業と盛岡の店舗販売を主にマネジメントしています。釜石の宅配販売では弊社工場で作ったお弁当を扱っていますが、盛岡の店舗では地域の飲食店やお弁当屋さんから仕入れたものを販売しています。マルワマートはベンチャー企業なので、基本的にできるところは自分でやります。ですので、私自身もお弁当を作る工程に関わったり、ときには配送することもあります。

大窪さん(江崎グリコ(株))釜石市役所に所属しながら「地域活性化起業人」として、主に釜石の食品関連の事業者さんと一緒に商品開発に取り組んでいます(インタビュー当時)。本籍は江崎グリコ(株)なのですが、お菓子に限らず、地域を盛り上げていく商品の開発に挑戦しています。例えば、かまいしDMCの「うにしゃぶスープ」を活用したレシピ作りや「三陸釜石うにパエリア」、小島製菓様の「KAMA MOCCHI(かまもっち)」、井戸商店様の「いか大満足セット」に携わってきました。

ありがとうございます。お二人が開発された釜石ジオ弁当のプロジェクトは、どのようなきっかけで始まったのでしょうか?

河東((株)かまいしDMC)もともと、食材の地域調達率の向上に取り組みたいと考えていました。また、修学旅行でいらっしゃる生徒さんが、手配の旅行会社が域外から調達してきたお弁当を食べ、大量のプラスチックゴミだけが市内に残されてしまうという状況に、改善せねばと思っていました。

さらに釜石は、三陸ジオパークに位置しながら、それを上手くPRできていなかったという事情もありました。せっかくたくさんの方に来てもらっているなら、地元のおいしいものを食べて、釜石についてもっと知ってもらいたいと思い、釜石ジオ弁当を構想しました。

食品系の商品開発ノウハウをお持ちだった大窪さんと相談しながら、配達や大量発注への対応に着目してマルワマートさんにお声がけしたところ、前向きにご検討いただけたので、一緒に進める運びになりました。

マルワマートさんが釜石ジオ弁当の開発を引き受けられた決め手は何だったのでしょうか。

山口さん大窪さんと一緒に仕事ができることは、私たちにとってもメリットが多くあると考えました。他のプロジェクトでも、大窪さんとのディスカッションの中で、専門性やノウハウを吸収させてもらう機会が多くあったのです。

ただ、いざ開発し始めてみると思っていた以上に難航し、利益率や製造工数を鑑みると手を引くべきかとも考えたのですが、最後は大窪さんの熱意に押し切られました(笑)

そうだったのですね!(笑)プロジェクトでの役割分担は、どのようにされていたのでしょうか。

山口さん総合的なプロデュースや地域の事業者さんの取りまとめなどは、大窪さんにお願いしていました。内容については大窪さんとの議論の中で決めていきましたが、実際の生産は私たちが担うことになるため、利益率や調達の実現可能性などは私が責任を持っていました。また、企画段階のアイディアの多くは、河東さんからいただいたものですね。

プロジェクトを立ち上げた当初のお話をお聞かせ願えますでしょうか。

大窪さん他地域の事例を調べるところから始めて、そこから釜石のジオを食材で表現するイメージを膨らませていきました。唯一当初から決まっていたのは、地元の木材を使った弁当箱を使用することです。サステナブル・ツーリズムの観点から、脱プラスチックと地域調達にこだわりたいということは、河東さんからご要望いただいていました。

プロジェクトの過程で難しさを感じた場面はありましたか。

大窪さん面白さでもあったのですが、地域の食材とジオパークの要素との組み合わせを考える工程が、パズルを解いているようで難しかったですね。どのジオを題材にするのか、そのジオを表現するに適した食材は何だろうかという組み合わせを、必死で考えました。味付けに関しては、マルワマートさんの製造ノウハウを信頼していたため、お任せしきりでした。

山口さん美味しさ・彩り・原価率の抑制などを両立させる必要があり、とても難しかったです。さらに、季節ごとで仕入れることができる食材も変わりますし、修学旅行生などは大量発注が前提なので、それに耐えうる食材や調達ルートを考える必要があります。正直、既製品を仕入れてしまえば安く手間もかけずに生産することはできたのですが、そうしたくはなかったので、周りの人にアイデアをもらいながら解決していきました。

河東「地産地消」と聞くとさほど難しくないのでは、と思われるかもしれませんが、安定的な仕入れとコストを抑えるという観点から、実は非常に実現の難易度は高いのです。二人は、地域の事業者さんを巻き込みながら、上手くマネジメントしてくれたと思います。

なるほど、周囲の方にもご協力いただいた結果として、今の釜石ジオ弁当があるのですね。

山口さんそうですね。これは社内のエピソードですが、ジオの再現と彩りのバランスに関して、ジオサイトは大体岩石で成り立っているため、再現を優先するとどうしても茶色っぽくなってしまうのです。それを解決するために、橋本亜寿香(はしもとあすか)さんという女性従業員にプロジェクトに入ってもらい、全体の色彩のバランスを見てもらいました。プレスリリースの際にはなかったのですが、紫キャベツと赤カブ(季節によってはさつま芋)を彼女の発案で追加して、より鮮やかな仕上がりになりました。

大窪さん他にも、自分たちは釜石の外からやってきた人間ですし、長く釜石に住まわれている方々やかまいしDMCの女性社員の方々とも積極的に対話しながら進めました。

私も実際に何度かいただく機会があったのですが、見る度に具材が変わって進化しているので、毎回ふたを開けるたびに驚かされます。

山口さん自信を持って提供したいという想いが、改善への原動力ですね。多少原価が上がったとしてもお客さんに本当に喜んでもらえるものを作りたいと常に考えています。また、メニューだけでなく、リリース当初から容器にも改善を施していますし、これからも驚きを与えられるように頑張りたいですね。

このプロジェクトの成果についてはどう思われますか?

河東何より地産地消を具現化できたことだと思います。地域の方に食べていただくことも増えてきて、地域の食材を地域で食べる好循環が生まれていると感じます。これまで課題だった地域調達率向上のきっかけになってほしいですね。

大窪さん密なコラボレーションを通じて、一つの新商品をリリースできたのは、大きな成果だと感じます。それと個人的には、お弁当の深さを知ることができました。彩や食材など、試行錯誤を重ねて拘ったものを食べて喜んでもらうことができて、お弁当は、好きなものだけ詰めればいいものではないと分かりました(笑)

ちなみに、他の一般的なお弁当と比較したときに、特徴はどのような部分にあると思いますか?

山口さん味だけで言えば、私たちが盛岡で取り扱わせていただいている他の事業者さんのお弁当もこだわり抜かれています。ただ、釜石ジオ弁当にはストーリーがあります。地産地消と脱プラスチックにこだわっており、サステナブルである点。さらには「見て楽しい、知って楽しい」という付加価値があります。そこも鑑みたときに「釜石に来たら絶対にこれを食べるべき」と自信を持って勧められるお弁当になったと自負しています。

釜石ジオ弁当を手に取る方に、特に注目してほしいポイントはありますか?

山口さん箱崎半島の先端にある美しい海岸「千畳敷」を「どんこのフライ」で模した点や、釜石の伝統芸能である「虎舞」を「いかとわかめのカレー和え」で表現した点は、特に楽しんでいただけるポイントかなと思っています。あとは、調味料も釜石のものを使用するほどのこだわりを、是非味わっていただきたいです。

大窪さん海のものと、山のもの、両方を組み合わせることができたのは、どちらも自然豊かな釜石ならではだと思います。釜石ジオ弁当で地域の食材を味わって、かつ、この土地の魅力や歴史を学んでもらいたいですね。

河東山口さんがおっしゃっていたように、弁当が学びになるという点に可能性を感じています。その意味では、釜石の方にとってもいい学びになるのではないでしょうか。今まで知らなかった地元の魅力を再発見するきっかけになれば嬉しいですね。

最後に、今後の展望について教えてください。

河東釜石へ来られた観光客の方々にアンケートを取ると、訪問した理由として、「食」を挙げる方が非常に多いのです。その楽しみを充実させる意味でも、大いに意味があると思っています。これから、より多くの方に味わっていただけると嬉しいですね。

大窪さんそうですね、これを食べて、ぜひ釜石のファンになってもらいたいです。

山口さん釜石に来たら食べるべきものとして、今だと「釜石ラーメン」が挙がることが多いのですが、そこに「釜石ジオ弁当」が割って入る存在になりたいですね(笑)そのためにも、もっともっと地域の方々にも食べてもらって、釜石の象徴的なメニューとしての認知を得たいですね。

今後、釜石ジオ弁当の更なる発展が期待できそうですね!ちなみに、以下より釜石ジオ弁当をご注文いただけます。

「釜石ジオ弁当」は1,000円(税込)で、25個から注文販売。(25個以下の場合はご相談ください。)
※予約は1週間前まで。 詳しくは下記にお問い合わせください。

会社名 maruwa mart 株式会社
電話番号 0193-24-3726
FAX 0193-55-5108
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